皆様こんにちは、原型製作及びディレクション担当のキバヤシです。

 

さて前回の続きなんですが、あれ、頭でかくない…?と思って先に作ったメガちゃんの顔パーツを

並べてみたら、これはもうひどいことに。

 

シリーズものやる上で、顔のサイズの統一というものは物凄く大切だったりします。

体のサイズは多少違ってもわりと大丈夫だったりするのですが、顔だけは駄目。

ちょっと違うだけで同じシリーズに見えなくなってしまうのです。

 

同一のシリーズを複数の原型師さんで受け持っていただく場合も、ここの所は凄く気を使います。

 

 

そこでこのように顔のサイズが違ってしまった場合は、どちらかに合わせる必要があるわけです。

今回はメガちゃんに並べられるハウスさんということで、ハウスさんの顔を小さく作り直すことになりました。

 

通常は泣きながら小さく作り直すのですが、今回は面白い縮小方法をご紹介いたします。

 

ワックスという素材は、もちろん調合にもよるのではありますが、他の造形用素材と比較しても結構な割合で収縮します。

そこを利用するのです。

 

具体的にどうするのかというと、まずワックス原型にシリコンを流して割型をつくり、それにまたワックスを

流して冷やしてやると、そのときにぎゅっと縮んで固まるのです。

向かって左側の、白っぽいまだらな緑のが原型であり、右側の均一な緑のものがワックスによる複製品です。

もうはっきりと、収縮してるのがわかると思います。数値にするとこのワックスの平均が3.2%の収縮率でした。

先のメガちゃんの顔と並べてみましょう。

だいたい一緒のサイズになりました。まだ縮小が足らないと感じたら、また同じ操作を繰り返せば良いのです。

 

シリコン型を使うのでもちろんお金はかかるのですが、へんなところで挫けて作業が止まるよりずっと確実でずっと楽です。

覚えて損のない方法だと思います。

 

それではまた次回。